移動日。
デンバーからバスで3時間かけ、チムニーロックに近いスコッツブラッフにやってきた。
周囲は大平原で、バスで走る道は、前を見ても、真っ直ぐ一直線に伸びているだけで、後を振り返ってもやはりそうだった。
地平線の丸い弧が遠くに見えた。オーストラリアのゴールドコーストで水平線を眺め、今度はネブラスカで地平線。初めての地平線には心が高鳴った。
着いた町には何もない。これまたモーリー同様だ。

By: Matt Turner
その日の泊まりのスコッツブラッフ・インという宿で、部屋にあった電話帳を繰ってみる。そして、ツアコンの加藤さんに「ひょっとして今晩の飯は東方楼(Oriental House)ですか?」と訊いてみる。 「どうして知ってるんだ」
電話帳を見ると、この町の中華料理屋はこの1軒だけだし、加藤さんの考えることはもうわかっている。どうせ「こんなとこにも中華料理屋があったよ」とか言いながら、白々しくそちらに足を向けるのだ。
ウルトラクイズの旅は南北アメリカ大陸やヨーロッパ大陸までも駆け巡る壮大なスケールだったが、食卓周りはアジアを抜け出せなかったことは9月18日の日記ですでにお伝えしたとおり。
その中華料理屋で加藤さんはある男と話をしていた。 美人の奥さんを連れたその男の周囲には只ならない空気が漂っていた。男はここまで残った6人の顔を眺めたあとで、僕を指差し、「優勝はこの男だ」とご神託を告げた。 さらには、中華料理の御籤でも”Yes, go ahead with confidence.(いいぞ、自信持っていけ)”というのが出てきた。もちろん、自信持って行くよ。
だが、結果的には優勝者が当たらなかったところを見ると、あの男は未来を見通していた預言師ではなく、ただの近所のオッサンだったのか。
こうして僕らの1989年のウルトラクイズの旅はつづく。
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