いつも行く朝の市場に中部のフエ出身の女性がやっている八百屋がある。
市場に通いだしたころ、最初に馴染みになった八百屋だ。
市場の入ったあたりに店を構え、たまねぎ、ニンジン、トマト、ジャガイモ、カボチャ、ニンニク、ショウガとよく買う野菜が一通り揃っていた。
買物が苦手な身には便利で、それでしばらくはそこでばかり野菜を買っていた。
店主は見たところ40才前後女性で、彼女の愛想が良かったのも、贔屓にするようになった理由だろう。
でも、店構えが他より小さめで、仕入れが不十分なためか、ときにモノが揃っていないこともあって、そのうち、別の店でも買うようになった。
それでも、店主の女性の厭な顔するわけでもなかったし、他よりも若干安めだということもあって、たまねぎとトマトはずっとそこで買っている。
そして、そこを贔屓にするのは、もうひとつには、たくさん買うとおまけをつけてくれるということかもしれない。
30,000ドン(約160円)を超えるくらいの買物をすると、分葱や香菜を少しサービスしてくれるのだ。
一掴みの分葱など金額にすればいくらもしないのだが、昭和の昔の買物の風景に近いものが感じられて、そのおまけほしさに、ついついそこで買物をしてしまうのが、日常になっている。
昭和チックなベトナムの暮らしが何とも言えず肌にあっている。
最近のコメント