
この日はクイーンズタウンからクライストチャーチへの移動日。
翌日の9月19日にも今度は日付変更線を越え、ハワイ経由でアメリカ本土に上陸する。
だが、この日まで、オーストラリア、ニュージーランドという南半球を旅しながら、当時の僕ら若者には底知れぬ物足りなさ、一種の欠乏感が鬱屈していた。
それは何か?
オーストラリア、ニュージーランドを旅しているのだから、どこかで一度は羊肉を食べる機会くらいあるだろうと思っていたのだが、とうとうラムを喰わずじまいに空港のあるクライストチャーチへと向かっているのだ。
ウルトラクイズの知られざる一面の筆頭を挙げるなら、誰がなんと言おうと、日本食を中心としたアジア飯の旅という側面にある。実際に十数年の歴史において、クイズの旅で移動する地域は非常に広範囲なのだが、食生活文化の範囲はほとんどアジア圏と極めて限られているのだ。
我々の例をあげよう。
グアム:日本飯、ゴールドコースト:日本飯、モーリー:中華、ブルーマウンテン:日本飯、シドニー:韓国飯、クライストチャーチからクイーンズタウンへバス移動中の弁当:日本飯、クイーンズタウンのトメさんとの会食:日本食レストラン…
ネブラスカの片田舎に行った時、僕は電話帳をめくって、その日の晩飯の中華レストランの名前を的中させて、近ツリのツアコンの加藤さんに「なんで知ってるんだい?」と感心されてしまったくらいだ。
By: waferboard
それで、このニュージーランドの最終日は僕らは主張した。「ラムを喰わせろ!」と。
このシュプレヒコールに怖気づいてか、ツアコンの加藤さんは我々の要求をのんでくれ、この日、僕らは南半球最終日にして、とうとう念願の羊肉にありつけたのであった。パチパチ(拍手)。美人ウエイトレスJeudyさんの給仕で南半球の羊肉は格別の美味だった。
こうして僕らの1989年のウルトラクイズの旅はつづく。
<リツイート希望>ファン皆様、お待たせ致しました。ショットオーバーの「帰れTシャツ」のデザイン募集のお知らせです。 多くのデザイナーの方に参加いただけるようリツイートのご協力お願い致します。 http://t.co/9x5jrwTspr
— 秋利美記雄 (@saigon1995) 2015, 9月 25